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・量子力学の「練習問題」的な設定では、離散スペクトルしか現れない理由:
自己共役演算子の相異なる固有値に付随する固有ベクトルは直交する。
ゼロでない直交するベクトルたちは一次独立。
従って、相異なる固有値の数は、考えているヒルベルト空間の次元以下である。
つまり、ヒルベルト空間が有限であれば、離散スペクトルしか現れない。

・一次元井戸型ポテンシャルのもとでの、一粒子エネルギー固有関数について再考
各エネルギー準位について、対応する固有関数はcos(ωx)のωがπのn倍されていく。

粒子の質量の増減は、エネルギー準位の間隔の幅を左右する。
E_n = (nπ/a)^2 h^2 /2m。
mが増→間隔減。
逆に、mが小さいほど、E_nが大きくなり、その間隔E_n - E_{n-1}も大きくなる。
つまり、軽い粒子ほど量子化が目立つ。

ポテンシャルが0である区間幅aの増減は、エネルギー準位の間隔の幅に影響。
aが小さいほどE_nもその間隔も大きくなるので、狭い範囲に閉じ込めるほど
量子化が目立つ。
*GaAs半導体内部では、電子の質量が実効的に真空中の1/10以下になり、
量子化が目立ちやすい。よって、原子よりかなり大きなサイズの領域に閉じ込めても
十分な量子効果が現れることになり、量子デバイスの材料としてよく使われる。

量子数nが大きいエネルギー固有関数では、固有関数の微分係数の絶対値が大きくなる。
従って、運動エネルギーが大きくなり、nが大きい固有関数に対応する
エネルギーは、大きなものとなる。

・交換関係と不確定性原理再考(整理):
全く同一の状態を用意して、一つの物理量Aの測定を繰り返し行った際の、
分散や標準偏差のことを、量子論ではゆらぎと呼んでいる。

全く同一の状態を多数用意して、そのうち半分については物理量A、
残りの半分については物理量Bの測定を行うとする。
このとき、A,Bの値がともにゆらぎゼロで測定できるような状態は?
A,Bが非可換ならば、[A,B]=ik、kは実定数として、AとBの標準偏差の積は、|k|/2を下回らない。
これが、いわゆる「不確定性原理」。
可換ならゆらぎゼロで測定可能。

[A,B]=ikでなく、[A,B] = iC、Cは作用素、という一般の場合には、もしも
<Ψ|C|Ψ>=0ならばA,Bが同時に確定することはあり得る。

なお、この「不確定性原理」と「ハイゼンベルグの不確定性原理」は別物。
ハイゼンベルグが示した原理は、
「誤差のある測定器でAを測った時の測定誤差と、Aと交換しない物理量Bに対する
測定の反作用の大きさとの間の不確定性関係」。

誤差のない測定器でA、Bを別個に測った時の不確定性は、
「状態に関する不確定性関係」であり、
ハイゼンベルグの不確定性関係は
「測定精度と反作用に関する不確定性関係」。

ここで、反作用とは、
測定行為の影響で測定後の状態におけるBを測定した時の確率分布が
測定前とは変わってしまうこと。
その大きさは、例えば分散の増分の平方根で定義する。

・状態の持つ不確定さ、
・測定器の誤差、
・測定器からの系の状態への反作用
を区別すること。

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