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第一章:距離空間とベールの定理
第二章:ノルム空間の定義と例
第三章:線型作用素
第四章:バナッハ空間続論
第五章:ヒルベルト空間の構造
第六章:関数空間L^2
第七章:ルベーグ積分論への応用
第八章:連続関数の空間

§1: 距離空間とその完備化。 コーシー列の定義を確認し、
空間Xが完備であるということを、Xにおける 全てのコーシー列が
Xの元に収束することで定義する。

一般の距離空間(X,d)にたいして、Xを含むような空間と、
Xの元に対しては dと同じ働きをする距離関数によって、(X,d)は必ず完備化することができる。
この完備化は、等距離同型と言う意味で一意である。

ベールのカテゴリー定理
完備な距離空間Xの稠密な開部分集合列の共通部分もXで稠密である。

稠密: 直観的には、位相空間Sとその部分集合Tがあり、
Tの閉包がSになるときに TはSにおいて稠密であるという。
位相空間Sが稠密で、さらに高々可算な部分集合を持つとき、
可分(Separable)であるという。

§2: ノルムの定義
||x|| = 0 <=> x=0が成り立たないときは、半ノルム。
d(x,y) = ||x - y ||で定義される距離を、ノルム位相という。
ノルム空間の例として注目すべきなのが、数列空間。
ノルム空間Eがノルム位相に付いて完備なとき、Eをバナッハ空間と呼ぶ。

内積の導入。 内積(x,y)、ノルム||x||について、シュワルツの不等式が成立。
ノルムについて、中線定理(幾何学でいうパップスの定理)が成立。 内積空間には、
内積を用いて自然にノルムが定義される。このノルム空間が 完備ならばこの空間を
ヒルベルト空間と呼ぶ。

§3: 一般に、ひとつの数学的対象Eを同種の数学的対象Fに移す写像Tが、
これらの 数学的構造を変えないとき、写像TをEからFへの表現と呼ぶ。
ノルム空間上の線型作用素に有界性の概念を導入し、作用素の距離や大きさを 議論。
線型作用素論で非常に重要な事実として、作用素の連続性と有界性が一致する ことが
挙げられる。

一様有界性の原理(バナッハ-シュタインハウスの定理)
T:E -> F, x -> Txなる線型作用素とする。 全てのxについて,
全てのTが||Tx|| < ∞を満たすならば、 Tのノルムも有限である。
つまり、各点での有界性がそのまま一様有界性につながる。
双対空間の概念を導入。 ノルム空間EからEのスカラーの作る
ノルム空間Kの中への 線型作用素をE上の線型汎関数という。
E上の有界な線型汎関数の全体はノルム空間を作る。
これを、Eの双対空間と呼ぶ。 双対空間については、
後述のリースの定理が非常に重要。 また、このセクションでは共役指数も定義している。
共役指数は1/p+1/q = 1なるp, qであり、ヘルダーの不等式を代表として 関数解析には頻出する。

§4 ハーン-バナッハの定理:
ある種の位相ベクトル空間の部分空間で定義された連続な線形汎関数を、
空間全体での連続な線形汎関数に拡張できることを主張するもの。
このように、より広い空間へ関数を拡張する、というのは 関数解析では基本的な
問題意識になっている。

第二双対空間 <- 双対空間の双対空間のこと。
一般に双対空間をE'とかくと、 EはE"(双対空間の双対空間)の真部分集合であるが、
E=E"となるとき、ノルム空間Eは「回帰的」であるという。

開写像定理:
定義(開写像):
位相空間EからFへの写像が, Eの任意の開部分集合を Fの開集合に写すときをいう。

E,Fをバナッハ空間とすると、EからFへの上への任意の連続な 線形作用素Tは開写像である。
これが開写像定理。

グラフ: 集合Xから集合Yへの写像fのグラフを graph(f) = { (x,f(x)) | x \in X} で定義する。
これは直積集合X ×Yの部分集合である。 定義:ノルム空間Eのある部分空間Dom(T)から
ノルム空間Fへの線型作用素Tの グラフgraph(T) = {(x,Tx)|x \in Dom(T)}が ||E×F||_1の閉集合
ならば、Tを閉作用素と呼ぶ。ただし、 E×F_1はEとFの直積で、
ノルムが||(x,y)|| = ||x|| + ||y||であたえられる もの。
ノルム空間からの連続線型作用素Tのグラフが閉集合であることは容易に 確認できるが、
その逆を主張するのが閉グラフ定理であり、 作用素の連続性の証明に多用される:
定理:E,Fをバナッハ空間とすると、EからFえの閉作用素Tが Dom(T) = Eを満たすならば
Tは連続である。

§5:
ヒルベルト空間が一般のバナッハ空間よりわかりやすい理由は、 ユークリッド空間と同様に必ず
直交座標軸を持つからである。 つまり、ヒルベルト空間Hは H=M+M^{\perp} と分解できる。
ヒルベルト空間の双対空間にも、特徴的な性質がある。それは、 内積を用いて表現できるということ
である。


リースの定理: ヒルベルト空間H上の任意の有界な線型汎関数fに対し、 f(x) = (x, y) を
満たすHの元yが一意に存在する。
さらに、||f|| = ||y||である。

無限次元のヒルベルト空間に対しても、正規直交系を定義できる。
また、正規直交系が完全であることをHの任意の元xが、有限個の
正規直交基底で任意の精度で近似できることで定義すると、
任意のヒルベルト空間には完全正規直交系が存在することが示せる。
パーセヴァルの等式、ベッセルの不等式を応用して示す。

§6:
p乗可積分な関数がなす空間は、半ノルム空間をなす。
半ノルムにしかならないのは、恒等的にゼロな関数以外にも、
測度が0になる点でしか値を持たない関数など、ノルムがゼロになる
関数が存在するからである。 ノルムがゼロの関数の集合によってp乗可積分な
関数のなす空間を わった商空間は、L^p空間と呼ばれるノルム空間になる。
この空間は完備なので、バナッハ空間になる。完備性の証明など、
L^p空間の構成にはヤングの不等式、ミンコフスキーの不等式、
そして ヘルダーの不等式が用いられる。

続きはもう少しこなれてから...ラドン-ニコディムの定理などをやった。
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